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世界の第一線で活躍する研究者によるオンライン講義を実施


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本学では、2018年度から、上智大学およびお茶の水女子大学と共同で、オンライン教育(Collaborative Online International Learning : COIL)を利用した遠隔教育および交流事業を軸とした、日米2国間の大学間連携を図るプロジェクトに取り組んでいます(2018年度文部科学省「大学の世界展開力強化事業~COIL型教育を活用した米国等の大学間交流形成支援~」)。

このCOILプロジェクトの一環として、6月24日にCOILの米国連携大学であるカルフォルニア大学デービス校(UCD)と接続し、同大学の佐藤大輔助教授を講師に迎え、COIL型教育を実施しました。
UCDは、国際的な総合大学ランキングの各分野で上位に位置する名門であり、2011年に本学と大学間交流協定を締結しています。薬学の分野では、本学にてヒトIPS細胞由来の心筋細胞の電気活動や収縮活動を定量的に計測したデータをUCDに送り、UCDにてスーパーコンピュータを使った生体シミュレーションで処理するなどの共同研究を行っています。

24日の講義は、生体情報分子解析学分野の研究に関する科目「生体情報分子解析学特論?先端医療薬学特論」の一環として行われました。本分野は、薬の安全性について研究しており、薬の思いもかけない副作用を発見し、それを未然に防ぐことがテーマとなっています。今回の講義には、本学の学生35名が自宅などから、個別にZoomに接続して参加しました。

講義は、科目履修者による英語の自己紹介からスタート。

続いて、講師の佐藤助教授から ”Computational Pharmacology” の概論について講義があり、理論的研究分野と実験研究分野がある中で、理論は実験によって実証される必要があり、その点でコンピュータを使ったシミュレーションが有効であることを、事例を挙げつつ分かりやすく解説していただきました。
ニュートンのリンゴの故事では、導き出された理論のおかげで、さまざまな現象を共通のフレームワーク内で考察することができ、非常に画期的なこととして理論の重要性を説明されました。
また、心臓病による突然死に関し、新薬の開発や治療法の確立、オーダーメイド型医療の重要性がますます高まっている現状をレクチャーされました。300万個以上もの細胞がある心臓に起こる現象、そして突然死につながる異常をシミュレーションするためにはコンピュータの力が必要であり、スーパーコンピュータを駆使した大規模な心臓シミュレーションが新薬の開発に役立っているとの説明がありました。

次に、佐藤研究室の卒業生であるバーディア?ガヨミ(Bardia Ghayoumi)氏がプレゼンテーションを英語で行い、心臓の不整脈がどのように発生するのかを、ブタをモデルとしたシミュレーションで実施している内容について説明しました。

この後、本学薬学部?黒川洵子教授のコーディネートにより、本学学生と佐藤助教授、バーディア氏との質疑応答が行われ、シミュレーション上のスーパーコンピュータの強み、シミュレーションツールとしてスーパーコンピュータを扱うことができる人材の重要性と今後の育成などについて意見を交換しました。

シミュレーションを含めたコンピュータの使用により、医療の形が変わってくることは必至です。その最先端にいる佐藤先生からの講義を受け、学生も大いに刺激を受けました。

オンライン講義の様子

Zoom画面

(2020年6月29日)

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